在留資格?不法就労?入管難民法ってどんな法律?法律の概要と在留資格制度について解説
在留資格?不法就労?入管難民法ってどんな法律?法律の概要と在留資格制度について解説
- 一般の方など入管難民法のことをよく知らない方に向けて専門家がわかりやすく解説。
- この記事を読むことで、入管難民法の概要と在留資格と認められた活動範囲を知ることができ、不法就労などの違反を未然に防ぐことができるようになります。
入管難民法とは?
目次
入管難民法とは、どのような法律でしょうか?入管難民法は正式には出入国管理及び難民認定法という名称で、一般的に入管難民法や単に入管法などと呼ばれています。この記事では、入管難民法と呼ぶこととします。
入管難民法は、「出入国管理及び難民認定法は、本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする。」ことを第1条で規定しています。
対象者は外国人だけではなく出入国する全ての人
入管難民法というと、外国人を対象とした法律と思う方も多いようですが、第1条のとおり、日本に入国したり、日本から出国する日本人も入管難民法の対象となります。
制定経緯・戦後政令としてスタート
入管難民法の前身である出入国管理令は戦後「本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理について規定することを目的と」した政令として制定され、平和条約締結後も法律として存続しました。
その後、難民条約の批准を受けた国内法の整備の一環として難民認定に関する事項が加わり、名称も「出入国管理及び難民認定法」と改められました。
在留資格とは?身分系・就労系の別
入管難民法は、日本への出入国の公正な管理を目的としていますが、法の目的を達成するために、日本に入国する外国人、日本に在留する外国人に一定の条件を設けています。
在留資格制度もそのひとつで、外国人は日本で自由に活動できる訳ではなく、入管難民法の定める在留資格に該当する場合に、在留資格に定められた範囲内で日本で活動することが認められます。
在留資格はいくつかに類型化されており入管難民法の別表に各類型と認められる活動内容が規定されています。
就労系の主な在留資格
- 高度専門職 高度な専門知識を有する人材として、日本学術研究や経済の発展に寄与することが見込まれる活動。
- 経営・管理 日本で事業の経営を行い、または、管理に従事する活動
- 法律・会計業務 外国弁護士や外国会計士など、法律上の資格を有する者が法律または会計業務に従事する活動。
- 医療 医師歯科医師などの資格を有する者が行う医療活動。
- 介護 介護福祉士の資格を有する者が介護または介護の指導に従事する活動。
- 技術・人文知識・国際業務 自然科学、人文科学の分野に属する技術や知識を要する業務。または、外国の文化に基盤を有する思考、感受性を必要とする業務に従事する活動。
- 特定技能 特定産業分野についての熟練した技能を要する業務に従事する活動。
- 技能実習 技能実習法の認定を受けた技能実習計画に基づいて講習を受け、技術・技能または知識に係る業務に従事する活動。
身分系の主な在留資格
就労系の在留資格では、指定された在留資格の活動範囲内でしか就労が認められませんが、身分系の在留資格の場合は就労に関する制限がなくなります。
不法就労と罰則
不法就労とは、就労が認められた在留資格を有しなかったり、在留資格の期限が切れている外国人が行う収入を伴う活動を指します。
また、在留資格を有していても各在留資格の類型ごとに認められた範囲外の収入を伴う活動を行った場合も不法就労となります。
不法就労の場合、不法就労を行った外国人本人が入管難民法違反の罪に問われるだけでなく、雇用した事業主や、派遣やあっせん等を行った者も不法就労を助長したとして入管難民法違反の罪に問われます。
不法就労を防止するためには、在留カード等により、適切な在留資格なのか、在留期限は切れていないかなどを十分に確認するようにしましょう。
不法就労を行った者や不法就労を助長した者は、「3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。」として、入管難民法違反ではもっとも重い罰則が適用されます。
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